自然観察指導員の梶屋さん
平尾台の事はこの人に聞け!ということで平尾台自然観察センターの自然観察指導員、梶屋さんに平尾台の魅力などをお伺いしました。梶屋さんは自然観察指導員になって1年半。それ以前の2年間も観察センターでボランティアガイドをされていたそうです。「ここは国定公園で法的な制約があり、特に特別保護区に指定されていますので、基本的には草花1本採ってはいけない事になっています。山菜とかワラビとかもダメなんですよ。それをなかなか理解してもらえないから大変ですね」と語る梶屋さん。
カルスト台地特有の景観
平尾台の魅力は?
梶屋さん「平尾台は石灰岩でできたカルスト台地です。こういった石灰岩地特有の地形というのは他には見られないと思います。まずこういった景観が魅力です。石灰岩というのは水に溶かされる。ですからそういう景観ができますが、地下にもいくつも洞窟があり、200近くあるだろうと言われています。観光地化されているのは3つなんですけど、洞窟の中も結構面白いです。コウモリがいたり、鍾乳石があったりと。真っ暗闇の中をキャップライトとヘルメットと汚れても良いような服装で洞窟探検=『ケイビング』って言うんですけど、そういうものを楽しまれている方もいらっしゃいますね」
写真は茶ヶ床園地から見た羊群原。名前の通り羊の群が遊んでいるように見える。

ここで平尾台の石灰岩地特有の地形をご紹介。
ピナクル(写真右上)
地表に出ている石灰岩のかたまりをピナクルという。
ドリーネ(写真右上)
石灰岩が水で溶かされてできたすり鉢状の窪地をドリーネという。
カレン(写真左)
雨水が石灰岩の表面を流れる時、表面を少しずつ溶かして大小の溝を作る。
草原に咲く花々や野鳥
梶屋さん「あとやっぱり草原という事。平尾台は野焼きして維持されている草原なんです。半自然草原って言っていいんですけど、こういった草原に特有の動植物というのも魅力です。平尾台には900種類ぐらい植物があります。野焼きを止めると草原が草原でなくなって、だんだん森になってしまいます。そうすると草原性の動植物が少なくなって来るんですね。だから野焼きをして草原を維持しています。そのおかげでいろんな草原性の植物が平尾台にたくさん見られるんです。例えば5月だったらシランというピンクの花が一面に咲いています。夏だったらノヒメユリのオレンジの花が咲きます。春先から11月の中旬ぐらいまで季節ごとに草原性の花がいっぱい咲くんですよ。花を求めてあちこちから花好きの人が訪れて、写真を撮って帰られたりしています」
「野鳥も多いですね。野鳥はだいたい60種ぐらい確認できます。5月の下旬ぐらいからカッコウ・ホトトギス等、北九州の他の所ではあまり聞かれないんですけど平尾台では多いですね。カッコウのさえずりが始まると初夏だなと。これから夏が来るんだなーみたいにですね。私の中での一番は花や鳥、2番目がカルスト地形ですね」
自然観察センターの役割
自然観察センターの役割は?
梶屋さん「平尾台自然観察センターは『エコフィールド付きミュージアム』というのが一つの謳い文句なんですけど、平尾台の自然や生態についての様々な展示やハイビジョンシアターがあります。自然観察センターで平尾台について学んでもらって、それから実際にフィールドに出る。そのための施設です。また平尾台は特別保護地域ですので、自然を守るための保護監視活動も行っています。午前・回、午後2回パトロールをして、標識等いたずらされていないかとか、そういった負の部分のパトロールと、開花情報とか、道が壊れていないかどうかとか、一般の方に情報として渡せるような観察ですね。監視活動と観察を同時にやっています。あとは一般の人を対象に観察会をやったりハイキングをしたりしています。自然に親しんでもらってその中で自然を愛する心を育んでもらう。最終的に自然保護思想に繋がる様な輪を広げていきたいですね」
自然や人との出会いが財産
「今でも、今年初めて出会った花とか、動物とかの出会いが楽しいです。また、平尾台を愛してる人達が大勢来るんですね。そういう色々な詳しい人達と知り合いになって、勉強会などで少しずつですけどレベルアップしていくという。本当に自然を好きな人っていうのはやっぱり気持ちのいい人が多いですからね。そういう意味では人との繋がりも出来てきたと思いますね。自然との出会い、人との出会い。それが私の中では1つの財産じゃないかなと思いますね」
ススキが一面に咲く秋の平尾台
秋の平尾台の楽しみ方、魅力は?
梶屋さん「10月はススキでしょうね。ススキが一面に咲いているので、風に揺られている姿とか、朝日に輝いている姿とか、綺麗ですね。それとリンドウの花とか、ウメバチソウの花とか、そういった秋の草花とか咲き誇ってきます。また、涼しくなるので歩きやすいですよね。結構山がありますので、山登りするのにもいい季節です。一番高いのは貫山712mです。貫山は石灰岩地帯ではなく花崗岩地帯になるんですけどね。11月5日(土)にはこの地域全体で『貫山平尾台トレッキングワールド』といって、平尾台周辺のあちこちから何コースかに分けて登ってくるという登山イベントもあります」
メッセージ
梶屋さん「平尾台はとにかく開けた場所で石灰岩が羊みたいにポツポツっと存在していて、そういう景色を見るだけでも気分がスッキリします。また、その中にたくさん咲いている色々な草原性の草花を見つけて歩くと楽しみが増していきますよね。自然をゆっくり、のんびり楽しむんだったら、平尾台。是非是非家族連れで来て欲しいと思います」