
北川内公園は明治45年(1912)当時の北川内村の名士・木下学而氏が私財を投じて完成させました。桜が植え始められたのは大正5年(1916)頃からで、今では町の観光名所となっています。その桜の木を襲った危機、平成16年9月の台風18号。詳細を上陽町役場にお尋ねしました。※以下写真提供:上陽町役場

平成16年9月に九州や全国各地に多大な被害をもたらした台風18号。上陽町でも道路の不通や停電など多大な被害を及ぼしました。
9月7日、午前9時頃から風が吹き始め、10時から11時にかけては最大瞬間風速52.3mの暴風が吹き荒れました。町内全域は停電となり風倒木で道路が不通に。役場に設置された災害本部に無線や電話で次々と伝えられる災害状況。台風が過ぎた8日、役場付近の停電は復旧しましたが、全町で電気が復旧したのは11日。町の被害額は農産物被害や山林被害、その他を合わせると約10億円にも及びました(広報「じょうよう」より抜粋)。写真は平成16年9月7日、道をふさぐ杉の倒木。

この様な被害の中、桜も例外ではありませんでした。それ以前の台風や、テングス病(葉ばかりで花がつかない)で木自体が弱っていた事も加わり、北川内公園の桜の約1割が根こそぎ倒れるなど被害を受けました。立て直すことができるものは立て直しましたが、撤去しないといけない木も多く、その年の10月に撤去。
その後「町民の癒しの場所でもあり、思い出の場所でもあるのでボランティアを町内から募集して、桜の植裁をおこなったらどうか」という町長の提案でソメイヨシノの植樹が企画されました。写真は台風後、桜の木が根こそぎ倒れている北川内公園。

翌平成17年2月27日に行われたソメイヨシノ70本の植樹。ボランティアで参加したのは「毎年花見を楽しみにしている」「昔のようにきれいな桜を見たい」という人達や、協力を申し出た商工会青年部の人達の計43名。
作業は植木専門家の指導の下、掘ってある穴に桜の木の表が南を向くように位置を決め、土と肥料を被せ支柱に固定するというもの。傾斜地に植えるため大人数人掛かりでもたいへんな作業だったそうです。

約半日の作業の締めくくりは、植えた桜への自分達の名札の取り付け。参加されたみなさん、桜が自分達の子供のような気持ちになったのではないでしょうか。また、植樹後に参加した方から「非常にこの企画は良かった。来年以降もよかったら続けてくれ」という要望も多くあったそうで、町では今後も植樹を毎年続けていく予定だそうです(今年も2月5日に植樹が行われました)。

他にも上陽町には沢山の取り組みがあります。その一つが上陽茶。福岡の八女地方で栽培されるお茶は八女茶として広く知られていますが、上陽茶は町と生産者、販売を担うサンライズ上陽(※ほたると石橋の館を運営)が協力し、生み出したブランドです。昼夜の寒暖の差が育てた茶葉。香りが強くコクの深いまろやかな味わいが特徴で特に茶葉の良質な一番茶のみを使用している特上煎茶は福岡県共進会で農林水産大臣賞等上位入賞を果たすほど。

今年の春は、台風を耐え忍んだ桜、そして新しく植樹された桜、それぞれを楽しみに上陽町へお出かけください。
●お問い合わせ
北川内公園
所在地:福岡県八女市上陽町北川内
お問い合わせ先:八女市役所商工観光課
TEL(0943)23-1192
駐車場:あり
トイレ:あり
交通:堀川バス「北川内」下車、八女ICから30分、広川ICから20分。 |