阿蘇山の魅力、再発見 グルメ、温泉、世界最大級の火山を満喫しよう

草千里ヶ浜 新緑の中で馬が草を食む風景は絵になります。乗馬体験もできるよ。

阿蘇登山道路の無料化
 ファームランドで身も心もさっぱりしたところで、登山ドライブに戻ります。ファームランドからわずか500mほど先に料金所の跡があり、かつてここで往復1,240円(普通車料金)を払っていたんだと思うと、無料化はありがたいとしみじみ思います。私にはこの値段でもかなり痛いんッスよ。

 道路はヘアピンカーブを描きながら緑の草原を登っていきます。草原では肥後の赤牛が草を食み、なんとも牧歌的な風景です。助手席の窓からは外輪山のパノラマがくっきりと見え、ふもとのファームランドや水田地帯がどんどん小さくなっていきます。幼少時代に来たときにはこの山道で酔い、阿蘇なんかキライだ…山なんか来たくない…とろくに景色も眺めもせず車内でうつむいていましたが、こんな素晴らしい風景を見逃していたなんて実にもったいなかったなあ。

 山道も中腹を過ぎたところで、おわんを伏せたような形のかわいらしい山が見えてきました。これが「米塚」です。山全体が草で覆われ、山頂はへこんでおり、「阿蘇のえくぼ」として親しまれています。

 米塚の名前の由来は、阿蘇の神が恵まれない人に米の塚から米を一掴みぶん施したことから来ているそうです。それにしても阿蘇の神様ってずいぶんと大きいんですねえ。

 米塚を後に杵島岳を横切り、見晴らしのいい展望所を通り過ぎると、ついに草千里に到着です。

 草千里は、阿蘇五岳のひとつ烏帽子の中腹に広がる直径1キロの火口跡で、新緑の草原に大きな水たまりが横たわり、その周りには放牧された牛や馬が草を食べたり水を飲んだりしています。文字通り草が千里にもまたがっているかのようです。あの草原でゴロゴロしたら気持ちよさそうだなあ。
 ちなみにこの場所は阿蘇で最も有名なスポットのひとつなので、テレビやポストカードなどで見たことがあるかもしれませんね。


乗馬体験

 草千里では乗馬体験もできるので、どうせ草千里を一周するなら馬で…ということで、乗馬クラブの山口さんに体験を申し出ました。乗馬体験には3つのコースが設定されており、山口さんは中央の小高い丘を20分ほどで一周するBコースを勧めてくれました。乗馬は何度かやったことがあるので、また乗れるのかと思うとワクワクします。

 今回私のパートナーをつとめるのは栗毛のミナミちゃん(メス10歳)、人間で言うと40歳のおばちゃん(失礼)、もとい大ベテランです。つぶらな黒目がとても優しそう。

 ミナミちゃん、今日はよろしくね。山口さんいわく、「ここの馬は全員メスで、とても気性が優しいんだよ」。

 鞍にまたがりお尻の位置を調節して、手綱を握りしめます。ミナミちゃんはそれを確認してからゆっくりと歩き出しました。

 カポカポとひづめを踏みならす音に合わせて、馬の体も前後に揺れます。何度も踏みしめられた道にそって、丘を反時計回りに進みます。正面には烏帽子岳、左手には噴煙を上げる阿蘇山火口、そして一面の草原。ときおり高原のさわやかな風が頬を撫でていきます。「どこを見ても絵になるだろう?」山口さんは得意気な表情です。

 やっぱり乗馬はいいなあ。なんといっても目線がぐーんと高くなるから気持ちいいし、馬上でバランスを取るために背筋も伸びるし、遠くまで景色が見渡せるし。
 それに良家のお嬢さまや貴族のたしなみという上品なイメージもありますよね。でも今は上品に歩くんじゃなくて、西部劇のカウボーイみたいに草千里を端から端までめいっぱい駆け回ってみたい気分です。

「家族連れからカップルまでいろんな人が乗馬に挑戦するよ。特にこれからは修学旅行シーズンだから、修学旅行生が増えるだろうなあ。関東の女子高生(いわゆるコギャル?)が乗るときは、スカートが短すぎるからバスタオルをかけてあげるんだけど、"おじちゃん、私タオルいらないよ"って言う子もいてねえ。とにかく女の子の方がチャレンジ精神があるんだ」

 ちなみに修学旅行生で乗馬をするのは圧倒的に女子が多く、男子はしたがらないそうです。何ともったいない。そんなところでカッコつけてどうする男の子たち。

〜乗馬にベストな時期は?〜

「まさにこれからの時期が最高だよ。梅雨で新緑も伸びてさらに青々としてくるし、雨水がたまって大きな池ができるから、馬たちが水辺に集まるおなじみの風景が見られるよ」

 ちなみに1〜2月は雪が積もるのでほとんど営業しておらず、馬たちはふもとの馬小屋で越冬するそうです。

 コースの途中、馬上から写真を撮るために「どうどう、どうどう」と手綱を引き馬の歩みを止めます。これが馬上からのながめです。そっと目の前のタテガミを触るとごわごわしていて、首筋は温かく歩くたびに筋肉が盛り上がるのがわかります。こうやって直に動物に触れることで"生"を体感することは、とても大切なことですよね。

 水飲み場に到着すると馬は立ち止まって首を伸ばそうとしますが、手綱がひっかかってしまい、私はあわてて手綱をゆるめます。ごめんねミナミちゃん。よっぽどのどが渇いていたのか、音を立ててガブガブと飲みます。水を飲んだあと、ミナミちゃんがいきなり立ち止まりました。ん?どうしたの?と手綱を軽く引いて歩みを促そうとした瞬間、足下でこれまたすごい音を立てていきなりおしっこをしはじめました。さっき水分補給をしたせいかな?…よく見ると、草千里のあちこちに馬の糞が落ちているではありませんか!ギョエー!ああ、これで草原にゴロゴロ寝転がる私の夢は、はかなくも崩れてしまった・・・。

 そうこうしているうちに、丘を一周して約20分間の乗馬体験が終わりました。ミナミちゃん、本当にありがとう。ねぎらいの意を込めて、首と顔をなでてあげます。馬の鼻って湿ってふにゃふにゃしてて、触ると気持ちいいんですよ。また来るね。

 ちょっとしたカウボーイ気分が味わえる草千里での乗馬体験、ぜひ挑戦してみてください。

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→阿蘇山頂付近
 草千里ヶ浜阿蘇火山博物館阿蘇山
阿蘇草千里乗馬クラブ
阿蘇郡阿蘇町草千里 電話(0967)34-1765
営業時間:3月上旬〜12月中旬の8:00〜18:00。
料金:
Aコース:一人乗り1,300円、二人乗り1,800円。(所要時間5分)
Bコース:一人乗り3,000円、二人乗り5,000円。(所要時間20分)
Cコース:一人乗り4,000円、二人乗り6,000円。(所要時間25分)
修学旅行生Aコース:一人乗り800円、二人乗り1,200円。
(所要時間5分)



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