「温泉王国・小国郷」寒い冬こそ、ぽかぽか温まろう

米屋別荘「長寿の湯」

  • 泉質:弱食塩泉で無色無臭、温度は高め
  • 温泉の種類:蒸し風呂、露天風呂、うたせ湯、ひのき風呂など12種類の温泉
  • グルメ度:★★★★★
  • 入浴料:500円
  • 宿泊料金:平日12,000円〜、休前日15,000円〜。

 杖立川を挟んだ温泉街から少し離れた場所にある、純和風の旅館です。上品さの中にも、どこか素朴さが残っていて、ほっとする雰囲気を演出しています。駐車場から玄関に下る途中に「チャボ優先」の看板があり、丸まるしたチャボが木の枝に止まっていたり、庭をちょろちょろと歩き回ったりしています。かわいい〜!
 ロビーでは昔なつかしの囲炉裏が出迎えてくれて、さっそく凍えた手を温めます。ご主人の河津さんが温和な笑顔で私たちにコーヒーを出してくれました。さっそく米屋についてインタビューします。

河津さん:「うちは天保14年(江戸末期)創業で、昔から福岡や佐賀の常連さんが大半を占めています。昔は、九州各地域の農家の人々が農作業の収穫を終え、最低でも1週間は湯治に来ていました。芸妓さんの奥座敷でもあったので、北九州や筑豊の鉄鋼業のお客さんも多かったですよ。今はすっかり生活サイクルも変わり、若い客が増えたこともあって、1泊や2泊などショートステイ型が中心です。大分県九重山へスキーに行く人が泊まるパターンもあります。あと、昔は各温泉地同士が競争していたんですけど、今はむしろ旅館同士の競争の時代になってきましたね」

 さらに、杖立について一言。

河津さん:「温泉あっての町なので、温泉文化がしっかり根づいています。温泉は健康づくりや、唐イモやトウキビを蒸したりする食文化にも影響を及ぼしています」

 米屋には、私の大好きな露天風呂があります。首から上はひんやりした外気に、体は熱めのお湯に浸けて、のんびりと・・・ああ、たまりません。外の自然の景色も見渡せるのがいいですよね。ワクワクしながらお風呂セット片手に女湯へと向かいます。

 ところで、どうして杖立には露天風呂が少ないんですか?と尋ねると、「男川とも呼ばれる杖立川の流れが急で土地が削られてしまうので、どうしても露天風呂を作るスペースが限られるんですよ」と河津さん。なるほど〜。しかもこれだけ旅館がひしめていたら、なおさらですよね。昔ながらの温泉地ならではの苦労といったところでしょうか。

 それでは、その貴重な露天風呂を紹介します!日本的な美しさと落ち着きを兼ね備え、自然に囲まれた岩露天風呂「長寿の湯」です。内風呂で体を丁寧に流し、いざ露天風呂へ。
 露天風呂のお湯は98.7度とかなり高めで、体がじんじんしますが、慣れると心地よくなります。熱がじわーっと体の芯まで伝わってきて、それでいて外の爽やかな空気がのぼせるのを防いでくれます。あ〜天国、天国。岩にもたれかかり、目を閉じてじっとしていると、自然に溶け込み、時間が止まったような錯覚を覚えるほどです。水面から立ち上る湯気が、露天風呂の幻想的なイメージをかき立てます。普段、家の狭いバスタブでは味わえない心の落ち着きが、ここにはあります。この露天風呂、混浴なので、女性が入るには少し勇気がいるかもしれません。男性がいないのを見計らって入るか、多勢に無勢で押し掛けて、男性を追い出してしまいましょう!

 露天風呂の脇には、60度の釜湯(サウナ)と、杖立名物の蒸し湯(ミストサウナ)を発見。蒸し湯とは、杖立川周辺のあちこちから上がる天然の蒸気を利用した、天然ミストサウナといったところ。見た目は双子の小さなかまくらに、「本当に入れるの?」程度の狭い入口があるだけです。
 ドアを開けると、ムッとする息苦しいほどの熱気と蒸気が流れ込んできて、むせてしまいます。中は薄暗く、天井は低く、せいぜい2〜3人分のスペースしかありません。背中から熱気をできるだけ広い面積で浴びるために横になり、発汗作用を促し脱水症状を防ぐため、入る前に必ず水を打ち、焼いた梅干し入りのお茶を飲んでから入るシステムになっています。

 少し躊躇していたけど、ここまで来たらトライのみ!と思い切って入りました。薄暗い穴の中は蒸気で充満していて、絶えず下からもうもうと熱い蒸気が上がってきます。・・・私、閉所・暗所恐怖症じゃないけど、何となく閉じこめられた気分。このドア鍵かけてないよね、何分くらい入っていればいいんだろう・・・とドキドキしながら横になっていること数分間、だんだん息苦しくなり、思わず飛び出してしまいました。ぷはー!し、死ぬかと思った。見ると、全身汗びっしょり。体中の老廃物を汗で出し切ったという感じです。水風呂で汗を流すと、気分爽快!あ〜くせになりそう。この蒸し湯、発汗作用のおかげで肌にもよく、髪のトリートメント効果抜群で、ぜんそくの治療にも役立つそうです。このように、杖立温泉は昔から「健康温泉」として人気があったそうです。

 お隣の釜湯はそれほど熱くはないサウナで、他にもうたせ湯、ひのき風呂など情緒あふれる12の温泉が揃っています。よおし、じっくり回るぞ〜。

 ここ米屋は露天風呂だけでなく、地元の食材を京風にアレンジした料理も大変おいしいと評判です。
 京都で修業した料理長さんの腕前は確かで、雑煮や、鯛の薬膳料理、赤飯、地鶏蒸し、鍋、カニ、デザートの果物など勢揃いの豪華メニューがずらり。また杖立の「健康の里づくり」運動の一環として、鯉メインの薬膳料理を提供しています。小国ビーフやシイタケの囲炉裏焼きなども絶品ですよ。オススメの釜飯セットは、ほくほくの素朴な山菜釜飯や吸い物、小鉢、デザートも付き、ボリュームたっぷり。食後にあったかい釜飯セットで、満腹になろう!

●お問い合せ
米屋別荘

阿蘇郡小国町杖立温泉 (0967)48-0507
国道212号線沿い、日田ICから車で40分 共同駐車場あり
食事休憩:釜飯ランチ2,000円、懐石料理5,000円。客室:10室。収容人数:28名。

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