変わり種グルメの旅in熊本市 料理人たちのこだわりが生んだ品々


 熊本市の繁華街にあるZEALAHビルにやって来ました。1997年にオープンしたばかりのおしゃれなビルの中には、各階ごとに個性の強い飲食店が待ちかまえています。

 パスタ&デザートの「アンクルガーリック」、中国元気料理「えびすビアホール」、串揚げと焼き鳥の「串乃家」、創作和食の「てまひまや」、にんにく料理専門店「にんにく食堂」、炭火焼肉と海鮮の店「空海」。
 なんと、全店飲み放題・食べ放題で男女とも3,000円ぽっきりというから、また良心的。フトコロの寂しい人にも、会計がたいへんな幹事さんにも、大変ありがたいシステムになっています。とりあえずZEALAHビルに来て、入口でどの店に行くか決めるという常連客も多いとか。

 今回は、当ビル5階にある、にんにく料理専門店「にんにく食堂」さんに注目。にんにくというと、和洋中問わず様々な料理に欠かせない調味料。わが熊本でも、こってりスープのとんこつラーメンに、にんにくは不可欠。たっぷり絞ったにんにくを、とんこつスープに垂らすと、ピリッとしたスパイスが効いてたまりません。少々匂いが気になりますが、おいしさには代えられませんね。

 にんにくのにおいがわずかに立ちこめている店内は、シンプルでおしゃれ。かわいいオブジェがさりげなく飾ってありセンスの良さを感じさせます。BGMは主にボサノバ系。女性客が多いというのもうなづけます。

お店の方にお話を聞きました。

〜にんにくにこだわられたキッカケは?〜
「以前はレストランバーを営んでおり、バリエーションだけを求められ、全てが中途半端で非常に不本意でした。そこで心機一転し、味だけを切り口に、素材を変えていろんな料理ができるにんにくに目を付け、その専門になろうと思ったのです。にんにくは、揚げる、茹でる、つぶすなど調理法によって味が全く変わるので、それを料理に応用させてるんですよ。味以外にもおろしにんにくのように、つぶして香りを出すという方法もあります」

〜にんにくはどんな効果があるんですか?〜
「よく言われるのが、元気の素になること。ピラミッド建設や十字軍の戦いの時に人々が食べていたそうで、歴史的に逸話が多いんです」

 さて、さっそく料理を紹介します。にんにくベースなので、もちろん全体的に辛味です。メニュー表を開くと、中華、沖縄料理、イタリア風、和風など40〜50種類の品があります。ここのメニューの名前が、またユニークです。
「熱烈豆腐ネギいっぱい」、「くるりんサンタチュシゲキライス」、「野菜のパリポリ」、「もしラーメンがサラダだったら」、「巻いて巻いて生春巻」・・・「マッキントッシュ」というりんごカクテルも。メニューを読んでいるだけで楽しい。思わず注文したくなりますね〜。
 これらのネーミングはスタッフのみなさんで考えるそうです。年2回メニューをがらりと変え、常に飽きが来ないようにするとか。「味はもちろん、見た目も名前もユニークにすることで、食をアミューズメント化してるんですよ」とはお店の方。すっかりお店の方の戦略にはまってしまっている私です。

これらの中から、人気の「絶望のスパゲッティ」(490円)、「にんにくのコロッケ」(290円)、「チキンナンバンバン」(690円)、「牛たたきのカルパッチョ」(590円)を選んでみました。

 にんにくを茹でてすりつぶしたものを揚げた「にんにくコロッケ」が目の前に登場。にんにくそのものを食べるなんて、さすが専門店。においも辛さも、ハンパじゃないでしょうねぇ。でも、ここで食べなきゃレポーターがすたる。使命感と好奇心が入り混じった気持ちで、思い切ってかじってみました。ところが、これが意外にあっさり。舌がちょっとぴりぴりするくらいで、びっくりするほど辛くはないし、匂いも全然臭くないんです。一つ、また一つ食べるたびに、にんにくパワーが充満し、体が火照ってきます。

 さて次は、にんにく食堂の看板メニュー、「絶望のスパゲッティ」です。皿に盛ってあるのを想像していたので、いきなり黄色のプラスチックのボウルに、にんにくスープをたたえて現れたのには、度肝を抜かれました。一見するとラーメンのようにも見えます。このスパゲッティ、先ほどのにんにくコロッケと違い、匂いからして強烈です。にんにくのかけらがぷかぷかとスープに浮かんでいます。
 オリーブオイルとにんにくスープにからめられて、てかてかと光っている麺。ちゅるっと喉に流し込むと・・・むむ、これは!!麺はしこしこ、にんにくのピリッとした辛さが妥協を許しません。他の調味料が入る隙を与えず、にんにくだけのまったりした濃い味付けが、舌にしみ込んできます。これぞまさに、シンプルイズベスト。

 スープに浮かぶにんにくの身を口に運ぶと、ほんのり熱を持って、舌の上で燃えているみたいです。これまた体がカッカと熱くなり、汗がふき出してきました。「辛いですよ」と言われたけど、あえてスープを吸ってみることに。実は辛党なんです。辛いけどやめられません。味は、とんこつに通じる濃さがポイント。

 うーん、この料理、本当に精力がつきそう。夏バテしそうな人にはオススメかも。

 他にも、にんにくをたっぷり入れたソースに絡めて揚げた鳥肉の料理、「チキンナンバンバン」。ソースはすごいにおいですが、味はそこまで辛くありません。肉がやわらかくておいしい!!「牛たたきのカルパッチョ」は、ほんのり味付け程度ににんにくの味がする程度。やわらかい牛肉にさっぱりした味付け、サルサソースがのっていて、ぴりっと味を引き締めています。

 さらにこのお店は、お酒の種類も豊富。ウイスキー、ビール、ワイン、焼酎、冷酒、酎ハイ、バーボンなど390円から飲めます。にんにく料理にぴったり合うお酒を探すのもまたいいかも。

 メニュー表の裏には「美味しくするために手加減しません」との謳い文句が。手加減なしににんにくをたっぷり使い、おいしさを追求する徹底ぶり。「にんにく料理、おいしそうだけど匂いが気になる」なんて軟弱なこと言ってられません。とことん、にんにくにこだわったお店の硬派な意気込みを感じました。

 それでもやっぱり気になる!でも食べたい!というわがままな人へ。スタッフからこっそりマル秘情報を教えちゃいます。にんにくは食べてから約1時間後に胃の中で発酵しはじめ、匂いを発するので、そのころに牛乳か「青汁」を飲むと、においがある程度おさまるそうです。なるほどー。

●お問い合せ
Kitchen's Bar にんにく食堂
熊本市安政町6ー10 
TEL(096)312-3618
営業時間:17:30〜24:00
年中無休
週末は一週間前までに予約が必要。

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