★サツマイモとは?
日本名:さつまいも。漢名は「甘藷(かんしょ)」、英名は"sweet potato"、ほかにも「唐芋(カライモ)」、「琉球藷」などの呼び方がある。
科名:ヒルガオ科の多年草
原産地:メキシコ、中央アメリカ
★サツマイモの歴史
サツマイモは、中央アメリカおよびメキシコの熱帯原産の植物です。古くからインディオによって栽培されていたものが、15世紀末コロンブスのアメリカ大陸発見の際にスペインに持ち帰り、アフリカやヨーロッパ各地へ、また北アメリカや中国へと伝播した。寒さに弱い為、ヨーロッパには定着しなかったようです。しかし、アジアの気候には適応し、救荒植物として広まりました。日本には日本へは1600年代の江戸時代初めに、中国福建から琉球(沖縄)に伝わり、そこから九州の薩摩(鹿児島)へ伝わりました。
さらに、徳川八代将軍吉宗の時、江戸町奉行大岡忠相の組下同心・青木昆陽によって、各地に広められました。昆陽が薩摩から種芋を取り寄せて栽培をしたことから「サツマイモ」と呼ぶわけです。薩摩では、琉球から伝わったということで「琉球イモ」と呼ばれています。琉球では「唐芋」といったようです。でんぷん質があるので作りやすく、つる性で強い作物なので、沖縄や鹿児島など、台風の影響を受ける地帯でもたくさん収穫できたため、この地方で特に発達しました。(食料として戦略の問題も絡んでいました)九州に飢饉がなかったのは、サツマイモのおかげだったともいえます。
青木昆陽・・飢饉の際の主食として,サツマイモの栽培を推進したことで知られている、江戸中期の儒者・蘭学者の「甘藷先生」1769年頃に亡くなる。
★栄養素
主成分は炭水化物(でんぷん)で、甘味成分であるショ糖やブドウ糖、果糖が多く含まれます。食物繊維が豊富で、ビタミンEは玄米のなんと2倍。でんぷん分解酵素であるアミラーゼが多く、蒸したり、焼いたりしてもビタミンCの6割は壊れずに残り、糖分が増え、甘味を増します。
サツマイモは美容食!
大正初期頃の日本人は一日に必要なエネルギーのほぼ10%をサツマイモから摂取したとの記録があり、かつては重要なエネルギー源でした。しかし、米や小麦と同じカロリーを摂取するには、3倍のサツマイモを食べる必要があり、満腹感を与えながらカロリー摂取は少ないという特徴を持っています。また、食物繊維が豊富なので、お腹の中の善玉のビフィズス菌を増やし、大腸や小腸の活動を刺激するため、快便効果もばつぐんです。
★調理法・保存法
・栄養を丸ごと摂取するには焼くこと。焼き芋は最高です。熱を加えることで甘みが増します。このとき、70〜80度の温度でじっくりと中まで火を通すと、甘みの素である麦芽糖が充分に引き出せます。(電子レンジは、高温・短時間で調理するため、甘味が薄くなってしまうので注意)
・煮るときにショウガを加えれば消化器系の強化に、レモンを加えると消化器の機能が高まります。
・葉を除いた茎の薄皮を剥ぎ、さっと茹でて、油揚げや天ぷら、煮付けにすればおいしい。
*サツマイモの収穫は9月ごろから始まりますが、実はホントにおいしいのは翌年の3月以降に出回る貯蔵イモ。収穫後の保存によってデンプン質を糖化させ甘味がつくからです。
★サツマイモの料理あれこれ
焼イモ、大学イモ、スイートポテト、ふかしイモ、きんとん、天ぷら、甘煮、ピューレ状にしてつけあわせ、スープ、サラダ、煮物、レモン煮(皮を剥き輪切りにして水にさらしたものを、半月にうす切りしたレモンといっしょに熱いバターを加えて煮こむ)。
★サツマイモの品種
「高系14号」…最もポピュラーな品種。色・形が良く、皮は鮮やかな紅色で、中は対照的に淡いクリーム色をしており、ほどよい甘みがあります。各地で優良系統が選抜されました。最も有名なのが、非常に甘味の強い徳島県の「なると金時」。「土佐紅」、「紅ことぶき」などもこの仲間です。
「金時」…「紅赤(べにあか)」ともいわれ、関東を代表する品種。丸くて黒っぽい紫色のイモで、皮が厚く、粉質で、中は鮮やかな黄色で、肉質は粉質で強い甘味がある。焼きいもにするとホクホクとしておいしい。また、加熱すると色鮮やかなので、きんとんなどによく使われる。
「ベニアズマ」…甘味が強く美味しいので市場では人気が高い品種。表皮は美しい濃紅色。肉色は鮮やかな黄色です。紅赤と並んで関東で人気の品種。
皮は濃い赤紫で中は黄色、繊維が少なく、甘味が強いのが特徴。裏ごししてスイートポテトなどのお菓子にしたり、きんとんなどにもよく使われる。
「ベニコマチ」…焼き芋用としては美味しいとの評判。
「紅サツマ」…収穫期を早める早堀に適した品種。鹿児島でもっとも多く栽培されています。
「小金千貫(こがねせんがん)」…おもに南九州で栽培されている、皮が薄くホクホクとした食感のさつまいも。多くは焼酎などの加工用にされるが、関西以西では、うす味で煮たり、天ぷらにするなど食用としてもよく使われている。
★サツマイモカルチャー
「栗よりうまい十三里」 宝永年間になると京都にやきいも屋が現れました。このやきいも屋は、「栗」=「九里」のおいしさには半里分くらい及ばないということで、「八里半」と言う看板を出していたそうです。江戸には寛政年間に初めてやきいも屋ができ、この店も八里半と書いた行燈を出していましたが、やがて小石川に「十三里」と言う看板を掲げた店が現れました。
「栗よりうまい」=「九里四里うまい」で、九里と四里をたして十三里と云う訳です。(「里」は昔の距離の単位。一里は、約3.9km)