山鹿「レトロスポット」めぐり 古代ロマンと伝統文化と温泉のまち

 明治43年、江戸時代の参勤交代にも使われた豊前街道が通るこの山鹿に、地元の「旦那」たちが地元の文化の発展のために資金を出して作ったという。あくまで「現地保存」されている上に、外観は和式だが内部は洋式(オペラハウス)の構造をしているという、全国でも大変珍しい芝居小屋で、国の重要文化財に指定されている八千代座に隣接する資料館を取材しました。

夢小蔵の前
 ここは、八千代座の資料などが展示してある「夢小蔵」の前。いろいろとお話しして下さるのは、山鹿市教育委員会の井上さん。ハッピが似合っています。
 ところで、八千代座は木造なので、木材の腐れや雨漏りやシロアリの被害はやはり避けられず、今回は残念ながら100年に一度の大修理中ということで八千代座自体は見学できません。その代わり修理についてのいろいろな話を聞きました。
 まず、修理には元の材料(松)を80%ほど再利用すること。そして、どうしても差し替えが必要なら、やはり松を使ってそれを天然素材で着色し、見た目違和感がないようにする、など。「できるだけ大正12年の頃の姿に戻したいんです」と熱心に説明して下さる井上さんに、山鹿の人々の八千代座に対する情熱とこだわりを感じました。

夢小蔵の内部
 夢小蔵の中です。ここには山鹿市の歴史についての説明、芝居小屋で使った小道具類の展示、八千代座の壁に掛けられていた数々の宣伝ポスターなどがあります。私が特に気になったのは、宣伝ポスター。もちろん筆文字で、絵柄も着物姿の女性が多いですねえ。○○酒屋とか××薬屋とか、地元の商店の看板が多いのが特徴。もちろん英語は一切使われてないので、妙に新鮮でした。

玉三郎さんの衣装の前
 夢小蔵で一番の見所はやはり、ここ八千代座で公演した板東玉三郎さんが寄贈した衣装です!玉三郎さんは、平成元年に「ぜひここで歌舞伎をやってみたい」と希望し、翌年から平成8年まで合計9回公演し、八千代座は全国的に有名になりました。その衣装、玉三郎さんご自身が長身だけあって、ものすごく大きいんです。しかもご自身でデザインされたとか……純白の生地に純白の刺繍で、とても繊細でした。
 玉三郎さんの他にも、長谷川一夫さんら有名人の地方公演の際に八千代座が使われたとか。八千代座の歴史を知ることは、山鹿の文化レベルの高さを知ることにもなりました。また、今回の大修理の陰には、市民団体の募金活動があったことも、市民の八千代座への関心の高さと熱意を感じ取ることができますね。

お問い合せ
八千代座管理資料館「夢小蔵」
山鹿市山鹿1499 TEL(0968)44-4004
開館時間:9:00〜17:00。年中無休。入館料:210円。

山鹿市教育委員会文化課 TEL(0968)43-1111

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