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熊本城本丸御殿大広間 4月20日より一般公開
平成に蘇る熊本城

 天下の三名城のひとつ熊本城は、築城の名手、加藤清正によって慶長12年(1607年)に築城されました。ちょうど四百年目にあたる昨年1月より平成20年5月6日まで熊本城では築城400年祭が開催されており、様々なイベントで復元整備により甦る熊本城と熊本の魅力が注目されています。
 そして復元整備の中でも核をなす「本丸御殿大広間」が、4月20日より一般公開されました。平成15年に着工した復元工事は、江戸時代の文献・絵図と、工事に先立って行われた発掘調査を基に着々と進められました。

本丸御殿とは
 熊本城の本丸御殿大広間は、加藤清正が慶長15年(1610)頃創建。城郭のなかで天守閣とともに中心をなす建物で、戦いの中心が天守閣とすれば、本丸御殿は、藩主が日常を過ごす生活の場でした。そのため藩主の居間、対面所(接客の場)や台所等の機能が備わっており、今回は大広間(対面所)、数寄屋(茶室)と大台所等が復元されています。
 早速「御膳立之間(おぜんだてのま)」の西側に設けられた玄関口から本丸御殿に一歩足を踏み入れると、清々しい木の香りと想像以上に広々としたスケールに圧倒されます。それもそのはず、本丸御殿の内部には25の部屋があり、その総畳数は580枚にもなるのだとか。それから「鶴之間(つるのま)」を抜けると各部屋をつなぐ回廊「大広間椽ケ輪(えんがわ)」へ出ます。真新しい桧の床板が敷き詰められた回廊は、南にはぬれ縁が備えられ幅が広く開放的です。公開後は、さらに雨戸が開放されるというので、風を感じながら城内の緑と市街地の展望が楽しめることでしょう。
 その回廊の一番奥にある「若松之間」は、名前の通り若松が障壁に描かれています。こちらの若松は、京都の寺院をはじめ、本丸御殿創建年代に主流であった狩野流で描かれた様々な若松の画を参考にされているのだそうです。
最大のみどころ「昭君之間」
復元中の本丸御殿 帳台構え小襖に描かれている絵
 そして若松之間の襖を開けると、奥にはさらに格式の高い「昭君之間(しょうくんのま)」が控えます。「昭君之間」は、一番格式の高い部屋。慶長期の特色である鉤上段(かぎじょうだん)になった座敷飾が設けられ、床、棚、付書院、帳台構え(ちょうだいかまえ)を備えます。そして何と言ってもその絢爛さに目を見張るのが、床壁や襖、格天井に描かれた金碧障壁(きんぺきしょうへき)。正面の床壁を含む二十三面には、中国の故事をモチーフにした「王昭君図(おうしょうくんず)」が描かれ、さらに桜や桃、山茶花、芍薬など四季の花々が描かれた六十面の天井画が彩りを添えます。
 障壁画の基本資料となったのは、部屋の内部を詳しく記した江戸時代の古文書「御天守密書」。その資料から画風は、狩野言信筆に基づく「光信様」となり、「王昭君図」の構図や描かれていた位置は「内柴御風」の「熊本城追憶拾遺記(ハ)」の記述が参考にされているのだそうです。
 また、格天井(ごうてんじょう)の基になったのは、復元のための資料調査を進めるうちに新たに発見された「御城内昭君之間合天井図」。この資料は江戸時代後期の肥後藩御用絵師・杉谷行直が縮写した昭君之間格天井画で、これにより絵柄や格間数の詳細が判明し、より緻密な復元が可能となりました。
 部屋の随所に施された黒漆が全体をほどよく引き締め、大名文化の粋を集めた最高格式の誂えに漂う荘厳な雰囲気。下地に金箔を重ね、岩絵具を用いて描かれた極彩色の障壁画は、豪華絢爛なだけでなく膨大な資料に基づいた史実の再現です。艶やかに繰り広げられる時代絵巻は、きっと人々を魅了することでしょう。
 一方、本丸御殿の裏方である「大台所」は、文字通り煮炊きが行われていた場所で、煙がこもらないよう吹き抜けになっており、直径1mもある巨大な赤松の梁と小屋組を見ることができます。また設置されているイロリには、発掘調査で出土した当時の石も使用されています。この他、他に例をみない珍しい地下通路「闇り通路(くらがりつうろ)」も当時の石垣を利用しているそうです。
 黒と白のコントラストが豪壮な天守閣とは対象的に、艶やかな大名文化の栄華を伝える本丸御殿大広間。往時の大名の暮らしぶりを体感しに、ぜひ足をお運びください。

格天井に描かれた艶やかな植物。一つの格間は約90cm四方

熊本城本丸御殿大広間
お問い合わせ/熊本城総合事務所 電話:(096)352-5900
入園料/大人500円、こども(小・中学生)200円
開園時間/4月〜10月 8時30分〜18時00分(入園は17時30分まで)
11月〜3月 8時30分〜17時00分(入園は16時30分まで)
休園日/12月29日〜31日

 

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